練習場でゴルフボールを足で扱うことについて

ゴルフボールは基本的にゴルフクラブで扱うもの。しかし、手で扱う時もある。自動ティアップ機を導入していないゴルフ練習場でドライバーを練習する時や、コースの第1打でティアップする時、グリーン上でボールを拾う時、ペナルティエリアにボールが入った時の処置の時などだ。

本来、ボールに触れるのは手とクラブだけで事足りるはずであるにも関わらず、足で扱うことが一般化されているシーンがある。それは、ボールを、練習場のマットや芝、ゴムティにセットする時だ。

足裏でマットの上でボールをコロコロと転がしながら、自分が置きたい場所にボールを置く行為。足とクラブヘッドでボールを挟んでゴムティーにボールを乗せる行為。これらは、自身の行為を疑うことなく当たり前のように多くのゴルファーが行っている。

競技によって、道具を足で扱って良いかが決まる

ここで一度思い出してみて欲しい。小さい頃、学校の先生や親から「手で扱うものを足で扱ってはいけません」と教わらなかっただろうか。多くの人は教わってきたはずだろうし、野球部で野球のボールを足で扱ったりしたら先輩や先生から怒られたはずだ。バレーボールをサッカーボールのように扱うことはダメなことだという教育を受けてきたはずだ。

大切なスポーツ用品は大事に扱ましょう、ということ。ゴルフボールも大切なスポーツ用品なのだから。

ゴルフの練習では、ボールをセットする時はクラブヘッドでボールを転がしてセットする。クラブだけではできないことは手を使う。これが自然で当たり前のことだと思う。

ジュニアゴルファーがボールを足とクラブヘッドで挟んでゴムティに置くなど言語道断。

そもそも、手でボールを持ってゴムティに置くという行為は股関節のストレッチになる。練習の一環だ。その練習を面倒くさがってボールを打つことにしか目が向かないゴルファーに明るい未来は無いように思う。特にジュニアゴルファーは。

ツアー選手も足でボールを扱っている

日本ツアーの練習場でも米ツアーの練習場でも足でボールを扱っているシーンが目につく。そんな中、一切足で扱わない選手を見ると、それだけでファンになってしまう。実名を挙げるとコリン・モリカワ。PGAのフェイスブックに投稿されたドライビングレンジでのモリカワの練習風景動画では足を使うことがなかった。

ツアー選手のアイアンショットはターフがとれるので、練習場所の芝がどんどん削れて、クラブだけではボールをセットしにくい時がある。クラブでボールを転がそうとしても、削れた箇所にボールが引っかかって、思うようにボールをセットできない時がある。そうなった時は足を使うことでボールをセットしやすくなる。

しかし、そんな時でもモリカワは足を使わずにクラブだけを使っていなかった。筆者が見たタイミングがたまたまそうだっただけで、普段は違うのかもしれないが、とても好感を持てた。

百歩譲ってツアー選手はスコアで収入を得ている人たち。ということは練習の質や量がその収入の源だ。練習場では足でボールを扱った方が、質や量を確保しやすくスキルを向上(維持)させやすい、といった事情もあるだろう。そのような事情を鑑みると、足でボールを扱うことは大目に見る必要があるのかもしれない。

ジュニアゴルファーには理想を伝えるべき

しかし、ジュニアゴルファーは違う。人として大切なことを学ぶべき年代だ。ジュニアが足とクラブヘッドでボールを挟んで練習場のゴムティにティアップするなど言語道断、と先述した。ジュニアには周りの大人たちが理想を伝えて、趣味でゴルフを楽しむにしろツアー選手になるにしろ、そのジュニアが大人になった時に色々な事情をふまえて足を使って良いかどうかを考えるべきではないだろうか。

ゴルフに対してネガティブなイメージを持っている人の中には、ゴルファーの所作や行為に、疑問符がついていることが多いようだ。ゴルフボールを足で扱う問題もその1つ。ゴルファーそれぞれ、特にジュニアゴルファーに関わる人は、今一度ゴルフボールの扱い方について考えてみて欲しいと思う。

まとめ

競技性のことを考えてみても、原則、野球は足を使わない(守備でピッチャー返しの時の対応で足を使うことがあるが)し、テニスや卓球でも足は使わない。もちろん、ゴルフもだ。サッカーボールやラグビーボールなど、足で扱うもの以外のものを足で扱うことは、基本NGとしてよいように思う。

ゴルフボールは消耗品。そして、ドライビングレンジで打つボールは自分のものではない。しかし、自分のゴルフライフの充実を大いにサポートしてくれる存在だ。であれば、自分のものと同じように大事に扱うべき。大事に扱う気持ちがあれば、自然と手で扱うようになるはず。そういう姿勢でいられるとコースラウンドで1打も無駄にすることなく、気持ちを切らさずにプレーでき、得られるものが大きくなるのではないだろうか。

本記事はnoteから移したものです。

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