ジュニアゴルファーの自意識肥大を助長するゴルフ練習場という場所

ジュニアとゴルフ、つまりジュニアゴルファーというものに対してネガティブなイメージを持っている人は多いと思う。理由は様々。経済的に恵まれていないとできない。子供はもっとたくさん体を動かすアクティブなスポーツをするべき。などなど。だが、これらは先入観が強いように思う。

やり方次第で子供がゴルファーの仲間入りをすることはあまり経済的負担なくできる。ジュニア割引をしているゴルフ練習場やゴルフ場は多くあるし、道具の面でもアイアンなどのボールを飛ばすクラブ1本とパターとボールがあればコースラウンド可能だ。

ゴルフスイングも全身運動。1時間練習すれば、じんわりと全身に疲労感が出てくる。また、イメージと実際の動きのギャップを理解しそのギャップを減らす、というすべてのスポーツスキル向上のためのものがより求められるのがゴルフだ。その能力を鍛える、という点でも立派なスポーツと言えるのではないだろうか。

ただ、一般的に持たれがちな認識通り、ジュニアが取り組むスポーツとしてふさわしくない点もある。子供がやるスポーツとゴルフがリンクしない要因の一つにゴルフ練習場の在り方が挙げられると感じている。ゴルフ練習場がジュニアゴルファーの自意識肥大化を促進する場所になってしまっているように感じるのだ。

ということで、ジュニアゴルファーにとっての練習場の問題について述べていきたいと思う。

打ったボールを拾わない

ゴルフ練習場は打ちっぱなしと言われているだけあって、打ったあとボールは拾わない。打ったボールが自然とフィールドの溝に流れ込むようにできており、それがボール貸出機に戻ってくるような仕組みになっている練習場が多い。

しかし、そのような仕組みになっている練習場であっても多少は人の手を要している。溝の流し込めないエリアがある。そこは人の手が必要で、営業終了後など練習場の職員がボールを集めている。

ということは、練習場を利用したジュニアゴルファーが打ったボールを練習場職員が拾っていることになる。ジュニアが拾わせているという構図になっているのだ。

他のスポーツではありえないことだろう。野球もサッカーもテニスも、基本的に打った後のボールは自分たちで拾う。それが自然で、それもトレーニングの一環になったりする。

どうしようもない問題ではあるが、本来自分たちで拾い集めるべきものを職員の人に拾わせている、職員の人に拾ってもらっている、という認識は生まれにくいようで、それもジュニアゴルファーの自意識肥大の助長を促進している一因ではないだろうか。

自動ティーアップの存在

多くの練習場では自動ティーアップ機を導入している。この自動ティーアップ、子供にとっては過剰サービスだ。勝手にボールが用意されて、ただ打つだけ。

自動貸し出し機でボールを出してきて、打席のボール入れにボールを入れて、1球1球、クラブか手を使ってセットする。この流れが、ジュニアゴルファーにふさわしい練習の流れだ。古い考え方なのかもしれないが。

機械が自動でボールをセットしていたら、先述したボールを拾うのに人の手を要していることは想像しにくくなる。すると、練習場の職員の人への感謝の気持ちが育まれにくくなる。

まとめ

ゴルフというものにジュニアがもっと触れる機会があっても良いと思う反面、気軽にゴルフに触れられる場であるはずの練習場にジュニアが取り組むべきスポーツとしてはふさわしくない要素があるようにも感じる。

とはいえ、これはどうしよもないことなので、ジュニアの保護者など周りの大人が「利用させてもらっている」という意識を植え付けるしかない。その為にはまずは挨拶の徹底だ。

練習場にきた時に練習場の職員には「こんにちは」。帰る時には「さようなら」「ありがとうございました」。職員は「ありがとうございました」ではなく「さようなら」。稚拙な案に感じるかもしれませんが、現状お客様面してやってきて、お客様面して退出し、挨拶をしないジュニアゴルファーが多い。職員さんも、ジュニアゴルファーをお客様扱いするべきではない。まず、これらを実践できれば、現在のゴルフ練習場という場所でもジュニアゴルファーの自意識肥大化の促進を減速できると思う。

本記事はnoteから移したものです。

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